旅行が好きな皆さんは、旅行の思い出を写真に収めることも多いのではないかと思います。
すでに一眼のような本格的なカメラを使っている方は写真撮影の基本はご存知だと思いますが、旅先の風景を何となくスマホで撮影している皆さんは、後で写真を見直した時できばえにがっかりすることはないでしょうか?
それは、もしかしたら写真撮影の基本がおさえられていないせいかもしれません。
今回は、写真撮影の基本中の基本をおさらいしますので、これからスマホやデジカメできれいな写真を撮りたいという方はご参考にしていただければ幸いです。
なお、この記事で使用している写真はすべて運営者エンドゥー左紗がスマホで撮影したものです。
地平線を水平にする
これは鉄板中の鉄板です。写真を撮る時、地平線や水平線は斜めにならないようまっすぐを心がけましょう。地平線が見えない場合は、周りの建物の窓の位置や看板などの位置を参考にします。
また、スマホのカメラでもグリッド(枠線)を表示することができるので、きちんと水平になっているかどうか自分の感覚に自信がない人はグリッドを表示することをおすすめします。
地平線が斜めなだけでとても下手な写真に見えてしまうので必ず守りましょう。
建物を前から撮る時はぴったり真正面から撮る
建物を正面から撮る時は、建物に対してぴったり真正面に立ち、すべてが左右対象になるよう注意します。
この時注意するのは以下の点です。
- 建物に対してぴったり真正面に立つ(斜めに立たない)
- 建物の中心が画像の中心がなるようにする
- 地平線はここでもきちんと水平にする
- 道路、地面、床、建物、窓、家具の線に注目し、すべて水平・左右対称にする
当たり前なように思えるのですが、実はこれがなかなか難しいのです。まず、自分はまっすぐ立っているつもりでも写真を撮ってみると何となく左右対称じゃなかったりしますし、若干水平ではなかったりします。
実は上の写真もよく見ると完全に左右対称にはなっていなくて、手前の道が少し左側に広がりすぎています(撮影時に立つ場所が右寄りすぎた)。
このため、建物をきれいに正面から撮りたい時も先ほどの地平線を水平にするのと同様グリッドを使うことをおすすめします。
脇を締めてカメラを固定し、明るい場所で撮影して焦点を合わせる
きれいな写真の絶対条件の一つは被写体に焦点が合っていることです。
上の画像は暗い場所で撮影したのであまりいい例ではないのですが、左の写真は撮影中に撮影者の手が動いてしまったので(しかも酔っていたので笑)ブレています。
こうならないようにするには、脇を締めてカメラ(スマホ)をしっかり固定し、なるべくカメラが動かないようにすることが大事です。また、カメラは暗いところだとブレやすくなってしまうので、できるだけ明るい場所で撮影することをおすすめします。
カメラが暗いところだとブレやすくなる理由は、暗いところだとレンズが十分な光を取り込めないため、シャッターを切る速度を遅くすることで多くの光を取り込もうとするためです。人間の手は静止しているつもりでも少しずつ揺れているので、カメラがゆっくりとシャッターを切る間に手が動いてブレやすくなってしまうのです。マニュアルモードにすればシャッター速度を速くすることは可能ですが、その分暗いところでは真っ暗な写真になります。
キリっとしっかり焦点が合った写真を撮るには、同じ写真を2〜3枚は撮ることが重要です。
これは、スマホやカメラの画面ではぴったりと焦点が合っているように見えても、後で拡大するとすこーしだけブレていることがあるからです。
また、スマホであれば焦点を合わせたい場所をタップして被写体に焦点を当てることを忘れないようにしましょう。
逆光での撮影は避ける
被写体が逆光になった状態での写真は極力避けましょう。
これは、食べ物、人物、物体、建物など全ての被写体に共通します。逆光になっていると背景は明るいのに目立たせるべき被写体が陰になってしまうため、何の写真なのか分からなくなってしまいます。
何より、逆光で被写体が陰になることで細部が潰れてしまい視認性も悪くなりますね。
ただし、夕陽を浴びて海辺に座る人物の写真など、あえて逆光の効果を狙う場合は別です。撮りたい写真によってうまく光を使い分けましょう。
ちなみに、上の写真が私が水中撮影で使っているカメラです。
背景に線がある時は画像がそれと平行になるように写す
床やテーブルなど、背景に規則正しい線が入っている場合はなるべく画面もその線に沿うように撮るとすっきりした構図になります。
これも上で書いた建物や地平線を水平にして撮影する理由と似ています。
左の写真は斜めになっていて何となく不安定な気持ちになるのに対して、右の写真は安定性がある感じがしないでしょうか?
人間の心理として、斜めになった物を見ると何となく不安になったり心もとない印象を受けるのだそうで、写真も斜めになってしまうと印象が良くないだけでなく素人っぽい写真になってしまいます。
食べ物にはフラッシュは使わない
食べ物を撮影する時は、フラッシュは使わないのは原則です。
上の画像では左の写真がフラッシュ使用、右が不使用ですが、左の写真は全体が明るく写っている反面、全体がギラギラしていて色の変化もなくのっぺりしています。フラッシュを使うと食べ物に反射してギラギラしてしまうので、何となく食欲が削がれてしまうのです。
一方、右の写真では光は全体には当たっていませんが、肉に適度な陰影ができていて赤みも生き生きとしています。フラッシュを使うと写真全体が環境光の色に強く影響された(=食材本来の色味が生かされない)写真になってしまいますが、フラッシュを使わないことで食材本来の色合いがわかりやすくなります。
皆さんの大好きな「映え」を狙うなら、食べ物にフラッシュはおすすめできません。
余分なものが入らないようにする
自分自身の指はもちろんのこと、他の人や車、テーブルの端っこや被写体以外の建物の端っこなど、写真にはなるべく余分なものは入らないようにしましょう。
食べ物の写真の時は他の食器やテーブルの端などが写ってしまうことが多いのでなかなか難しいですが、インスタ映えするきれいな写真を撮りたい場合はある程度のセッティングは必要でしょう(ただし、そのせいで一緒にいる人を待たせたり邪魔をするのはマナー違反ですけどね)。
上の写真の場合、屋根が斜めに入ってしまっていてせっかくきれいなビーチが台無しになっています。もちろん、こういった屋根も水平に画像の中に入っていると、屋根の中からビーチを見ている様子が効果的に伝わっていい写真になるのですが、この例では斜めなので中途半端なだけです。
被写体以外のものは極力入れない、あえて入れる場合は効果的に入れるのがおすすめです。
アプリできれいに編集する
編集なんて邪道だという考えもあると思いますが、写真は撮る時にすでにある程度の補正がかかっているものです(カメラには画像処理エンジンや露出補正機能などが搭載されていて、撮影した瞬間に処理しています)。
ということは、デジタルに撮影された写真はすでにある意味のレタッチが施されていると言っても過言ではありません。
それなら、アプリできれいに編集してより美しく仕上げたくないでしょうか?
パソコンを持っている人ならPhotoScape X、スマホならAdobe Photoshop Fixや Photoshop Express がおすすめです。どれも無料で驚くほどきれいに編集できるのでぜひ使ってみてください。
PhotoScape Xについてはこちらの記事でまとめています。
Photoshop Fix と Express の詳しい使い方はこちらの記事をご参照ください。
そして、せっかくきれいに撮影・加工した思い出の写真は思い切ってネットで売ってみるのもおすすめです!今はスマホでも誰でも写真を売ることができるので試してみてはいかがでしょうか?
私もストックフォトの Shutterstock(シャッターストック)というサイトで写真を売っていますが、初めて数ヶ月でまずまずの売れ行きです。スマホで撮った写真も出していますよ。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
いかがでしょうか?写真撮影とは、あることをするだけでプロ並みの写真が撮れる魔法のような技があるわけではなく、一つ一つの細かい技を組み合わせることで全体的にクオリティの高い写真ができあがるということがお分かりいただければ幸いです。
旅行が好きな皆さんはスマホでも売れるレベルのきれいな写真を撮ることは十分可能なので、是非腕を磨いていろんな場所で発表していただければと思います!