一般的に陸マイラーのサイトでは、最強のポイントサイトハピタスを使えば初心者でも年間216,000マイル貯まる!!と声高にうたっていることが多いですが、本当にそんなに貯まるのでしょうか?
もちろんそれも嘘ではないのですが、そういったサイトで説明している「大量にポイントがもらえる広告をクリックして毎月貯めれば簡単に1年で21万マイル以上貯まる」というのはただの理論であって、実際に1年間その方法で貯めたデータを提示している人はほとんどいないので注意が必要です。
まず、大量にポイントがもらえる広告は1度しか使うことができず、たくさん使っているとすぐにクリックできる広告はなくなってしまいます。しかも、ポイント付与には厳しい条件があることも多いので、世の陸マイラー達が「毎月貯めるだけ」と言うほど簡単なことではないのです。
そこで、今回は本当に初心者でもそんなに簡単にマイルが貯まるのか、実際のデータを交えて定量的に検証してみました。
検証の概要
今回の検証の概要は以下の通りです。
検証方法
- 2019年6月現在ハピタスに出ている誰でもポイントが大量に貯められる広告を検索
- 見つけた広告の合計獲得ポイントを計算
- 上記の合計獲得ポイント、獲得条件などを照らし合わせ、本当に216,000マイル(266,667ハピタスポイント必要)貯めることが可能か検証
結論
最初に結論をまとめると、無理ではないが相当の手間がかかるということがわかりました。
更に、今回検証したのはあくまで最初の1年分のみで、2年目以降はクリックできる広告が減るので更に難易度が上がると思います。
それでは、検証した内容の詳細を見ていきましょう。
ハピタスを使って年間に貯められるマイル
まず、ハピタスのポイントをANAマイルに交換するための必須ルートである「ソラチカルート」を簡単にまとめると以下のようになります。ハピタスのポイントは最終的に81%のレートでANAマイルになります。
また、このソラチカルートを使って手に入れられるANAマイルの最大値は以下の通りです。
ハピタスを使った場合の年間獲得マイル数詳細
ハピタス交換上限 | 30,000pt/月 |
メトロポイント交換上限 | 20,000pt(22,222ハピタスpt必要)/月 |
ハピタス経由の最大獲得可能ANAマイル数 | 18,000マイル/月 |
年間最大獲得可能ANAマイル | 216,000マイル |
ハピタスからANAマイルの交換レートは81%なので、216,000マイル貯めるにはハピタスで266,667ポイント貯める必要があります。
ハピタスから外部ポイントへの交換上限は毎月30,000ポイントですが、毎月無理してそれだけ貯めてもその先のメトロポイントの交換上限が20,000ポイントまでなので、ハピタスのポイントは毎月22,222ポイントだけ貯めれば問題ありません。
つまり、22,222ハピタスポイント→(22,222LINEポイント)→20,000メトロポイント→18,000ANAマイルというルートで交換されるわけですね(端数は無視)。
陸マイラーの間で年間216,000マイルと言われているのはこのためです(18,000 x 12 = 216,000)。
ソラチカルートを知らない人のために、ソラチカルートの詳細チャートも貼っておきます。
ソラチカルートについて詳細は以下の記事をご覧ください。
【2019年版】ソラチカルートとは?ANAマイルの貯め方完全マニュアル
ハピタスでポイントがたくさん貯まる広告
次に、今回の検証条件1の誰でも大量にポイントが貯められる広告を検索しました。
検索条件
検索するための条件は以下の通りです。
- ハピタスPC版の「サービス」カテゴリで1000pt以上の広告を検索
- 手に入るポイント以上の初期投資(出費)が必要な広告は除外
- 特定の地域や職業の人しか応募できない広告は除外(関東限定通販、医療従事者限定出会い系など)
- 光回線加入は一応誰でもできる(ほとんどの人がネットを使っている)ので除外しない
手に入るポイント以上の出費が必要な広告については、初期投資をしてでもその商品に興味がある人ならいいですが、誰にでも向いているとは言えないので今回は除外しています。この条件に当てはまるのは主に不動産購入、脱毛エステ契約、結婚相談所登録などがありました。
また、特定の地域に住んでいる人や特定の職業の人しか応募できない広告も当然誰でも使えるとは言えないので除外しています。「年収400万円以上」といった案件は、当てはまる人が相当数いるため除外していません。
他にも、誰でも使えるとは言いがたい案件も複数含めていますが、これを全て除外すると21万マイルなんて到底無理なのでご了承ください。
実際の広告まとめ
以下が、実際に見つけた獲得ポイント数が多い広告です(ポイント順)。
今回はポイント数の多いものだけピックアップしましたが、上記を全てこなせば年間最大マイルに必要なハピタス合計ポイントである266,667ポイントが貯められることになります。
上記の広告が使えない人もいると思いますが、そういう場合も他の広告がたくさんあるので、検索していただければと思います。
実際にこの広告で21万マイルは貯まるのか
さて、ハピタスには非常に多くの広告があるので21万マイル分(266,667ポイント)貯まる広告もあることがわかりましたが、これが本当に21万マイルになるのでしょうか?
上記広告でポイントをもらうためにやらなければならないことを解剖してみましょう。
上記広告でポイントをもらうのに必要なこと
単に広告だけ並べると266,667ポイントが簡単に手に入るように見えますが、上記広告で全てのポイントを獲得するには以下のことをする必要があります。
- 面談やカウンセリングに参加する
- クレジットカードを作る
- 光回線やガスに複数回加入する(その都度すでに契約していたものは解約する)
- 商品を定期購入する
光回線の広告は複数あるので、全てでポイントをもらう場合は毎回前回契約したものを解約しては契約しなおす必要があります。
また、不動産関連の広告は会員登録だけでなく必ず面談に参加する必要があります。上記のリストだと10件近く面談が必要な案件があるので、ほぼ毎月休日が潰れることになります。しかもその後の営業の電話もしつこいはずです。
これでポイントを貯めるのは不可能ではないですが、非常に面倒ですね。
そもそもポイントサイトがポイントをくれるのは、広告掲載企業が顧客になる見込みのあるユーザーにポイントというインセンティブを付与することで顧客に転換(コンバージョン)してもらうことが目的であり、企業はこのために莫大なユーザー獲得費用を払っているのです。
つまり、企業がお金を払ってポイントを付与している以上、顧客になるつもりもない人がタダでポイントを手に入れるということは通常有り得ないのです。
ただし、今回ピックアップした広告ほどのポイント数ではないものの、資料を請求するだけでもポイントがもらえる案件もハピタスにはたくさん載っているので、そういう広告を使うのも一つの方法です。
資料請求広告のまとめは以下の記事でまとめています。
【2019年4月現在】ハピタスの無料資料請求広告まとめ
資料請求も、顧客になる見込みのある人に資料を送付することが目的なわけですから、上に書いたポイントサイトの目的に合致していますよね。
結論:21万マイルは物理的には可能だが非常に手間がかかる
いかがでしょうか。大量にポイントを獲得できる広告はどれも面談に参加したり実際にサービスに申し込む必要があるので、年間216,000マイル貯めるのは不可能ではないですが非常に手間がかかることがわかりました。
もちろん、今回の記事に載せていない広告も多数あるので、自分に合った広告を探せばもっと楽に貯まる可能性もありますが、いずれにせよ広告を検索するのは手間になりますし、将来お金を使ってくれる可能性のある見込み顧客に企業がお金を払ってポイントを付与するという図式は常に成立します。
このため、世の中の無責任なブログにはびこる机上の空論は以下のように修正できます。
机上の空論:広告をクリックするだけで初心者でも簡単にマイルが貯まる
↓
実態:広告をクリックして面談に参加したり実際にサービスに申し込むなど、手間とある程度のお金をかければ初心者でもマイルが貯まる
少なくとも爆発的にマイルが貯まって余るなんてことはありません(笑)。本当にそんなに簡単に貯まる方法があるなら私が知りたいです。
じゃあ初心者でも無理なくマイルを貯める方法は?
上の結論では身もフタもない言い方をしてしまいましたが、それでも初心者が無理なくマイルを貯める方法もあるのでご安心ください。
さすがに21万マイルは無理ですが、年に数回沖縄に行くくらいなら難しくありません。
私が実践しているのは以下の方法で、これで年間72000マイル貯めています。
超絶イチオシ:店舗モニター
陸マイラーならこれだけやってりゃ間違いないというのが店舗モニター(レストランモニター)です。
これは覆面調査員(ミステリーショッパー)として飲食店の接客や料理の品質を評価し、経営者に対して報告するというものです。対応している店舗は大きなチェーンなどに限られますが、参加すれば1回に3000〜6000マイル程度貯めることができるので、これだけでも数回やれば旅行ができるほどのマイルを貯めることが可能です。
これは今回取り上げたハピタスでももちろんやっていますが、もっと前から実施しているポイントタウンならもっと対応店舗数も多いようです。
私が店舗モニターでマイルを貯めた時の方法や明細はこちらの記事でまとめているのでご覧ください。
店舗モニターでマイルを貯める方法。特典航空券はこれだけで十分!
普段のショッピングをうまく使う
これはポイントサイトを駆使する陸マイラーの基本ですが、普段お金を使う時はどんな時も以下3点を忘れないようにします。
- 買い物でも食事でも可能な時は必ずクレジットカードで支払う。特にネット通販は絶対カード。
- ネットでの買い物はポイントサイトを経由することを忘れない(対応サイトのみ)
- コンビニや薬局はなるべくANAマイルに交換可能なポイントが貯まるお店を選ぶ。ネット通販も同じ。
クレジットカードを使うのはクレジットカードのポイントをANAマイルに交換できるから、ポイントサイトを使うのは当然ポイントをANAマイルに交換できるからです。ネット通販でも、ポイントが貯まらないAmazonよりは楽天を使います(楽天ポイントはANAマイルに交換できるから)。
これをやれば、それだけでクレジットカードポイントと通販サイトのポイントとポイントサイトのポイントの3重取りができます(詳しくはポイントサイトの使い方の記事参照)。
普段どれだけお金を使うかによりますが、普通に社会生活をしている人なら月に数万〜数十万円は使うはずなので、上記だけでも毎月数千マイルは貯まるはずです(例:10万円使うなら3重取りで約3%なので3,000ポイント=約2400マイル。1年にすると約28,800マイル)。
面倒なようですが、慣れてくるとだんたん自分の消費パターンや消費金額が分かってくるので、毎月どの程度マイルが貯まるか把握できるようになります。
私が特に何もせずゆる〜く毎年貯めている72000マイルの明細もこちらの記事でまとめているので参考になさってください。
陸マイラー3年生の年間ポイント獲得数の実態をざっくり明細付きで紹介
店舗モニターと日々のやりくりをうまくやることで、年間に数万マイル程度なら無理なく貯まりますよ。
例えば、東京〜沖縄の往復に必要なANAのマイルは18,000マイルなので、36,000マイル貯めれば2回も沖縄に行けることになります。先ほどの日々の買い物の例だと、毎月10万円の買い物で年に28,800マイルなので、何回か店舗モニターをやれば沖縄2往復分ですね。
他にも、半年で18,000マイル(沖縄往復)以上貯めた時の全明細もこちらで公開しています。
私が半年で貯めた沖縄往復分ANAマイルの明細を完全公開!初心者でも簡単に貯まる!
まとめ:21万マイルなどという法外なマイルは難しいが、数万マイルなら初心者でも無理なく貯まる
以上、初心者でも簡単に21万マイルも貯まるというのは語弊があるものの、数万マイル程度なら無理なく貯められるということをご説明しました。
当サイトでは、「爆発的にマイルが貯まりすぎて余る!!」など調子のいいことだけ言っておいて年間に21万マイル貯める本当の方法は説明しないという無責任なことはしたくないので、実態をご説明しました(では彼らが口を揃えて21万マイル教を布教しているカラクリが何なのかはこちらの記事で書いています)。
もしかするとがっかりした方もいるかもしれませんが、世の中そんなにうまい話はないということです。
ただ、一方で21万マイルなどという法外な数字を目指さなければ、年に数回沖縄に行くくらいなら特に努力をしなくても普段の生活だけで十分貯めることができます。
これについては以下の記事をご参照ください。
何かのご縁でこのサイトにたどり着いた方は、是非眉唾モノの情報に惑わされることなく、実直に、確実に目標マイルを貯めていただければと思います。
なお、ハピタスがポイントを貯めやすいのは本当で、こちらのリンクから登録すると324マイル相当の400ポイントがもらえます(ポイントをもらうには、登録後7日以内にハピタス経由で楽天などのサービスを使って最低1回はポイントを貯める必要があります。その時の利用が通帳に記載されてから5日以内に400ポイントが付与されます。)。嘘ではないので安心して自分に合った広告を探してみてくださいね。
■ANAマイルを貯める方法