最近、アメリカの航空各社が「情緒サポートアニマル」(Emotional Support Animal)に関する規則を厳しくする動きがあります。
情緒サポートアニマルとは、飛行機に乗るとストレスなどで情緒不安定になってしまうと医師に診断された人などが、それを緩和するための動物を機内に連れ込むことす。飛行機の中にこうした動物を連れ込むには、精神科で発行される簡単な書類を米国政府に認可される必要がありますが、簡単な書面だけでよかったため周りの迷惑になる動物を連れ込む人が多数現れていました。
もちろん、本当に情緒サポート動物(ESAとも呼ばれるそうです)がいないと深刻な症状が出てしまう人もいたはずですが、犬や猫だけでなくブタ、クジャク、亀など様々な生き物を連れ込む人が続出し、他の乗客を噛んだり大声で鳴くなどする事件が多発したため世界中で話題になりました。
これを受けて、デルタ航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空などの主要な航空会社は度重なる規約変更を強いられてきましたが、2019年4月1日よりアメリカン航空で更にルールの変更があるそうです(予約日は不問)。
変更されるルールは以下の通りです。
- 持ち込み可能な動物は犬、猫だけとする。訓練を受けた小さな馬はサービスアニマルとしてのみ許可する
- 持ち込み可能な動物の数は、情緒サポートもしくは精神サポート動物を1人につき1匹のみとする。
- 持ち込む動物の年齢は4ヶ月以上であることとする
- 情緒サポートもしくは精神サポート動物の持ち込みに必要だった従来のフォームに加えて、新しい動物保険フォームを提出のこと
- 持ち込む動物は清潔で行儀がいいこと
- 持ち込む動物は飼い主の膝の上、座席の下、座席の前に座れることを条件とする。キャリアに入れて運ぶ場合は動物を中に入れた状態で座席の下に入れることが必須。
これまで大きなESAも持ち込み可能だったので通路を塞ぐこともあったようですが、今回の変更でそれも不可能になりました。上記条件では収まらないほど大きな動物の場合、今後はその動物の分もチケットを買う必要があるそうです(その場合搭乗者名が何になるのか非常に気になりますが)。
デルタ航空ではこれ以外にも8時間以上のフライトでは全ての動物を禁止する条文やブルドッグの持ち込みは不可能という更に厳しい規約があるそうですが、アメリカンはこれには追従しなかったようです。
あまり日本人でESAを持ち込む人の話は聞いたことがありませんが、もしESAが必要な人がアメリカの航空会社を使う場合、必要な手続きを取っていただければと思います。
アメリカン航空公式ニュース記事(英語):
https://www.aa.com/i18n/travel-info/special-assistance/service-animals.jsp