オーストラリアの入国ポリシーは以前から厳しいことで有名でしたが、2019/2/28付けで更に入国に関する条件が追加されました。
現状オーストラリアに入国する外国人はニュージーランド人以外誰でもビザが必要ですが、2/28より、ドメスティックバイオレンスで有罪になったことがある人に対してのビザの申請を拒否するという方針が新たに導入されました。
入国管理局長のデビッド・コールマン氏によると「女性や子供に対する暴力で有罪になった人は歓迎しません」とのことで、「犯行がどこの国で行われていようと、どのような罪状であろうと、ドメスティックバイオレンスの加害者に対してオーストラリアは容赦はしません」と話しています。
オーストラリアに入国するには「人格要件」を満たす必要がありますが、この要件を満たさない場合オーストリアに対して危険をもたらす人物とみなされ入国は全面的に拒否されます。
注目すべきは、今オーストラリアにいる人であっても、過去にドメスティックバイオレンスで有罪になったことがある人は今回の法律の適用により強制退去を命じられるということです。
もしビザが拒否された場合、拒否された本人やスポンサーは28日以内にビザ発給を求めて不服申し立てをすることができるとのことです。
また、今回の法律は自治省のみでなく行政控訴裁判所にも適用されるとのことで、政府が拒否したビザ発給も行政控訴裁判所によって覆されることもあります。
これまでの事例だと、自分の幼い息子に暴行して有罪になった男が政府にビザを拒否されましたが、行政控訴裁判所がそれを却下した例や、妻を暴行して有罪になった男が学生ビザを申請して拒否されたにも関わらず行政控訴裁判所がそれを却下した例などがあるそうです。いずれも理由については明言されていません。
入国が拒否されるのは有罪判決を受けた場合だけのようなので数は少ないでしょうが、弱者に対する暴力という卑劣な犯罪を犯した人間が入国できないというのは至極真っ当な判断ですね。犯した罪と同じ重さの罰を与えてほしいと思います。
■参考ニュース(英語)
https://www.sbs.com.au/news/australia-to-refuse-visas-for-domestic-violence-offenders