2019年3月22日(アメリカ中部時間)、ユナイテッド航空はアメリカの航空会社としては初めて「第三の性別」を導入すると発表しました。
ユナイテッド航空では、全ての販売チャネルでMr.、Ms. などに続いて「Mx.」という新たな敬称を導入することにしており、ユーザーはパスポートまたは身分証の性別欄に従って従来のM(男性)、F(女性)に加えてU(非公開)とX(未指定)を選択できるようになります。
ユナイテッドのチーフカスタマーオフィサーは、「ユナイテッド航空で予約時のオプションに第三の性別を導入し、LGBT受け入れの面において業界をリードできることを誇らしく思います」と語りました。「ユナイテッドは、お客様が男女の二択を選択しようとそうでなかろうと、お客様のことを第一に扱っていることを示すための一歩を踏み出したとみなさまにお知らせできること、またそのために社員教育にも力を入れることを嬉しく思います」
今回の試みのため、ユナイテッド航空では「人権キャンペーン」や「トレバープロジェクト」と協力して従業員を教育していくことを明らかにしました。トレーニングの中では、搭乗者に使うべき敬称、性別に関する固定観念、LGBTの職場における能力などについて教育し、ユナイテッドを搭乗者も従業員も共存できる空間にするための一歩を踏み出しました。
ユナイテッド航空では、カスタマーが自分自身を認識している性別を認めることは、全ての人を尊厳と敬意をもって扱うことの一環ととらえており、今回「Mx.」という新たな敬称を導入することはLGBT受け入れにおいて重要なステップであると考えているそうです。
非常にいい試みだと思いますが、冒頭の「パスポートまたは身分証の性別欄に従って」という表現がやや気になります。ユナイテッド航空で「U」や「X」を選択するためには公式な身分証でその性別を選択できることが大前提ですが、少なくともアメリカや日本ではまだ「男性」と「女性」以外は選択できないはずなので、公式の身分証で第三の性別が選択できる国以外の人は、今回のユナイテッドの試みの対象外ということなのかもしれません。
ユナイテッド航空公式ニュース記事(英語)
https://hub.united.com/united-non-binary-gender-booking-2632449328.html
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