アイスランド最大の観光地が一時的に閉鎖
アイスランド南部にある「フャズラオルグリューブル渓谷」(Fjaðrárgljúfur)というアイスランド最大の観光地が、2018年より天候によるダメージを修復するため一時的に閉鎖になりました。
フャズラオルグリューブル渓谷はアイスランドの首都レイキャビクから車で3時間半ほどの場所にあり、切り立った渓谷と高緯度地方特有のやや薄暗いミステリアスな雰囲気があいまって、異世界のような美しさが観光客を惹きつける名所です。
専門家によると、フャズラオルグリューブル渓谷は過去にも閉鎖になったことがあり、単純にインフラが不足しているせいで安全面に懸念があるため修復するのが今回の閉鎖の目的だと話していますが、ネットでは別の見方をする人もいるようです。
2015年にジャスティン・ビーバーがビデオクリップで使ったことも一因か?
ジャスティン・ビーバーが2015年に発表した "I'll Show You" のミュージッククリップはフャズラオルグリューブル渓谷で撮影されたということを知っている人もいるかもしれません。
ネットでは、このことでフャズラオルグリューブル渓谷が更に有名になり、観光客が殺到したせいで閉鎖せざるを得なかったのではないかとの見方をする人もいるようなのです。
ただ、もちろんジャスティン・ビーバーの影響力はすごいものなので彼のビデオによってより観光客が増えたことは否めませんが、実はそれより前にもフャズラオルグリューブル渓谷は十分有名で多くの観光客が訪れていたとのことです。
国としては観光収入を増やしたいのは山々でしょうが、それにより環境が破壊されていくことは難しい問題だと思います。
アイスランドは今後も観光地の整備を予定
アイスランドとしては、今回の閉鎖をあまり否定的には見ておらず、こうやって観光地のインフラを整備していくことは必要だと考えているようです。フャズラオルグリューブル渓谷ももっと安全面を強化して観光客への公開を再開する予定があるとのことで、再開後も観光客を呼び込みたい姿勢は変わらなさそうです。
ですが、インフラの整備が進むと避けられないのが観光地化です。アイスランドではセリャランスフォスの滝(Seljalandsfoss)という場所で5年前から駐車場が有料になりましたが、それに伴い駐車料金を支払うための小屋ができ、続いてキッチンカーが現れ、しまいにはお土産屋さんまで並ぶようになってしまったのです。
観光地の有料化については、集めたお金がそのまま全て観光地の整備に使われるので問題ないですが、フャズラオルグリューブル渓谷も観光地かが進めば少なからず本来の景観や環境は失われます。
素晴らしい場所に観光客を呼び込むのはいいことですが、観光地化による自然破壊は複雑な気持ちになってしまいます。
それにしても、アイスランドの風景は本当に素晴らしいですね。ゲーム好きな人間からすると、リアルゴッド・オブ・ウォーまたはスカイリムという感じで鳥肌が立ってしまいます。やはり一度は行ってみたいですよね。